自作電源タップ・その2 ホスピタルグレードの壁コンで電源タップを作る!


転職が決まりました。
次の職場はWeb制作やフォトショ・イラレにタッチできる職場なので、楽しみでなりません。

今回の記事で取り上げている電源タップを自作する作業はすべて電気工事士の資格不要でどなたでもできる作業です。
壁コンセントの交換などは電気工事士の資格が要りますので、無資格の方はやり方が分かっていても触ってはいけません。
また、自作した電源タップを頒布・販売する場合は役所への届出が必要なのでご注意ください。自分で使用する分には届出は不要です。

電源タップは100Vの電源を扱うものですので、作業手順を一歩でも間違うと火災や感電などの死亡事故に発展する可能性があります。当記事の解説を参考に電源タップを作られて、損害を負われたとしても、当ブログおよび管理人は責任を負いませんので、自己責任のもと制作ください。

不安な方は、既成品をオススメします。

レビトンのコンセントをゲット!

前回、電源タップを初めて自作しました。

第1弾は”試作”ということで、パナソニックのノーマルグレードでコンセントの口数をとにかく増やすところまでしました。

その後、オーディオシステム3号を導入した際に、イトケン様よりレビトンのコンセントをお安く譲っていただけました。

レビトンはアメリカの大手の電工メーカーで、日本でいえば明工社や神保電機が形態的には近いかと。住宅向けから医療向けまで幅広く商品を展開されています。

オーディオメーカーではないのでオーディオ用は発売されていませんが、同社のコンセントは食いつきが非常にいいことと、オーディオ用コンセントとも引けを取らない音質が出せることから、日本でもオーディオマニアに知られている存在です。

PSEマーク取得アメリカ USALEVITON コンセントベージュ

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感想(1件)

※この商品はノーマルグレードです。

レビトンの代表的なコンセントに、53628300の2つの系統があります。5362系列は非メッキ、8300系列はニッケルメッキ処理がされているのがこの2つの違いです。

レビトン総合カタログより

今回頂いたコンセントは、仕入先(ヤフオクらしい)はメッキ処理との記載があったとのことでしたので、おそらく8300の系列であろうと思われます。

左がレビトン8300で右はおなじみ松下WN1302。レビトンはUL規格らしく、丸みを帯びたボディをしている

表面の緑の●はホスピタルグレードの証です。レビトンのコンセントは住宅用、工業用、商業ビル用、医用の4つのグレードがあり、医用(ホスピタルグレード)はその中でも最上位のグレードのようです。

WN1302と比較。WN1302は単線ケーブルを噛み込む方式。対してレビトンは穴に入れてネジで挟む方式。

裏面。レビトンは3分配できるのが特徴で複数つなぎたいときに重宝します。ネジによる挟み込み式なので撚り線でも加工いらずそのまま接続することができます。

2つ頂いたレビトンのコンセントのうち、1つは壁コンセント交換に用い、大本がパナのノーマルグレードからホスピタルグレードへと進化しました。

もう1つは電源タップに組み込むことにしました。

ということで、このレビトンのコンセントを使った“オーディオシステム用自作電源タップ”構想が持ち上がったのです。

一番最初に作った3個口を置き換えるかたちでこのレビトンのコンセントを組み込みました。付属でついてきた金属プレートはサイズが小さかったためホコリ対策として紙テープを用いています。

オーディオシステム1号と2号を繋いでみました。高音のこもり感が取れ、力強い音になりました。高音の綺羅びやかさはメッキから来ているんでしょうか。低音は最初は量が多くエネルギッシュでしたが、次第に落ち着いていって迫力を残しつつ上品な感じになってきました。すぐ目の前で演奏されているような、そんな錯覚に落ちます(笑)

それにしても、ノーマルと比べると激変です。この調子で他もコンセントを変えていきたいと思ったのです(沼の始まりです・・・w)

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プラグの3P化

壁コンセントが3P(メーカー側は接地2Pと表記している)になったので、プラグも3Pにしてみたく、まずはハードオフで3Pプラグのインレットケーブルを買いました。¥54也。

このケーブルを途中で切断して剥ぐとこんな感じです。

これをタップ側のレビトンのコンセントの裏の穴に挟み込むだけ。レビトンのコンセントが3分配できることを利用して、ダイソーのケーブルのメスプラグ側を追加。口数の減少をこれでカバーします。

2Pのダイソーのケーブルのときより音がほんの少し安定するようになったなと感じました。

明工社のホスピタルグレード

とはいえ、レビトンのコンセントはPSEの関係か常時販売しているお店はほぼないに等しく、ヤフオクで落札するか、海外通販で個人輸入するしかないようです。

ヤフオクもコンスタントに出ているわけじゃないので、他社のコンセントを交えて電源タップを作っていくことに決めました。

それともう一つ、コーナンへ行ってみると、パナの2連用のステンレスプレートが在庫処分されていて半額以下だったので買ってしまいました。ということで、今度はレビトンのようなUL規格ではなく、JIS規格でいくことになりました。

イトケンさんより、大須第2アメ横にある「海外電商」さんにホスピタルグレードのコンセントやプラグがあると聞き、行ってきました。

今年春に赤門通沿いの路面店舗から縮小移転していて品揃えは以前より縮小気味ですが、確かに置いてありました。明工社のホスピタルグレードコンセントとプラグが。しかもAmazonより安かったので来て正解でした(^^)

明工社のML1282コンセント。¥980でパナWN1318Kよりもお安い価格です。表面真ん中のHマークがJIS規格でのホスピタルグレードの印。

プラグも明工社のME2591で、「HOSPITAL GRADE」の刻印もあります。透明ボディが綺麗です。

2連プレートを買ったので、コンセントはもう1つ必要になります。もう1つは手持ちのWN1302でも良かったのですが、見栄えを極力統一したいので、接地2PのパナソニックWN1512Kをホムセンで買いました。
実は、WN1512Kは400円でお釣りが来るのに、音質のバランスが良いとオーディオマニアの評価も高いのです。

電源ケーブルも作り直します。富士電線のVCT3.5スケア・2芯をチョイス。富士電線のVCTは安く、入手性も高く、そして何より音のバランスが良いと評判の一本。現状、非オーディオの電工用ケーブルで一番音がいいのは富士VCTでしょう。
本当はフジクラのCV-Sが手に入ればそっちにしたかったのですが、CV-Sを売ってるお店は最近ほぼ皆無。海外電商さんからの情報ですが、フジクラ自身が製造販売から手を引いているとのウワサもあるようです(一応Amazonのマケプレで取り扱いはありますが・・・)

ML1282とWN1512KはVVFで内部配線をし、ボックスに取り付けました。

これが在庫処分で買ったパナのステンレスプレート、WN7606K
ネジ止めをするだけで完成です。

一方のケーブルは片方は撚り線をねじってレビトンのコンセントへ接続し、もう片方をME2591に配線します。

ME2591はUL規格のコンセントと同様、線を穴に差し込んでネジで挟むだけです。

さきほどの3Pプラグと比べると、なかなか頑丈で音質的にも効果ありそうです。

これで、オーディオ用電源タップが完成。ストレートに「自作電源タップ1号」と命名します。

上流から順番にレビトン8300明工社ML1282パナWN1512Kと流れています。このタップはオーディオシステムへの電源供給だけでなく、レビトンのコンセントから分岐するコードを経由して、コタツやスマホ充電用タップへも電気を供給する設計です。

音質はどう変化したか?

モヤモヤが取れました。例えで言うなら、開いた窓越しから風を感じていたのが、ベランダに出て直接気持ちいい風を感じられるようになった、的な感じとでも言いましょうか。

高音のキレは素晴らしいです。無駄にシャリつくこともなく、トニックシャンプーをしているときのような、ないしはロッテの爽を食べてるときのような、そんな感じに近い爽快感です。

低音は量では抑えられていますが、その分ゴリ押し感は当然ないのでスッキリとした出方。量より質が重要視され、上品に、紳士的に鳴ってくれます。不足感はありません。

ボーカルは激しくなく、落ち着いた歌い方をします。作業用BGMに使ったり、ゆったりとジャズを聞くにはピッタリの音だと思います。

ですが、J-POPやアニソンが向いてないかといえばそんなことは全く無くて、楽しい鳴り方です。思わず手足をトントンしてしまうほど、リズム感が良好です。官能的な感じとはちょっと遠い気がします。アニソンだとよく団子になっちゃいそうな表現部分も多いのですが、粒立ちが細かくなったこともあってか気にならなくなりました。

結果として、オールマイティーに楽しめるマイルドな味付けになったかな、と思いました。まだエージングで傾向が変わるかも、ですが・・・。

個々のコンセントの音質比較まではまだやってませんが、また別記事で取り上げたい話題にしてます(笑)


こうして形になったオーディオ用電源タップ。これでも十分いい音なのですが、金属ボックス化、VVFの2.0へのアップグレードなど、まだまだ音を改良できる工程がまだ残ってます。さらには、機器側のケーブル交換、プラグの3P化、スピーカーケーブル交換など、下流部での改良はまだまだ山積み。

自作電源タップ1号はまだ増えるであろう規模に合わせ拡張計画がすでに進んでます。オーディオの電源周りいじりは、まだまだ続きそうです。